■可変スリーブの調整方法 (テーラーメイド編)

「スタンダードとアップライト、ロフト角は同じだけどスライスが出にくいのはどっち?」

とあるお客様から質問されました。


正解は『アップライト』。

アップライトはスタンダードよりもライ角が+4度増えます。



このように、意外と知らない方が多い可変スリーブ。

そこで今回はスリーブの調整方法について御説明していきます。


■可変スリーブの位置を変えると何が変わる?

今回は『テーラーメイドゴルフ』を例にしてみましょう。




上の図はテーラーメイドゴルフのHPからでも検索できます。

メーカーHPのチューニングマニュアルはコチラ




この図ではSTD(スタンダード)を基準として

フェース角/ロフト角/ライ角/スピン量の変化が表記されています。


この変化でドローやフェード、高弾道や強弾道を選んでいくわけですね。


■基本的な4つの位置

まずメインとなる4つのポジションがこちら。


・スタンダード(STD)….標準

・ハイヤー(HIGHER)….球高、ドロー系

・ロウアー(LOWER)….球低、フェード系

・アップライト(UPRT)….STDより掴まりやすい


その中間にさらに2つのポジションがあり、合計12通りのポジションが選択できるようになっています。





■最も球がつかまるのはどこ?

例えば「UPRT」と「HIGHER」、

果たして球がつかまりやすいのはどちらでしょうか。

それぞれの数値を見てみましょう。


【UPRT】

フェース角 ±0度 /ロフト角 ±0度 /ライ角 +4度 /スピン量 ±0rpm


【HIGHER】

フェース角 +4度クローズ /ロフト角 +2度 /ライ角 +2度 /スピン量 ±400rpm


正解は「HIGHER」。

総合的な数値で最も掴まりやすいポジションになります。

さらに最も球の高さが出やすいのもHIGHERです。



■「STD側」と「UPRT側」の差は?


時計回りに①~⑫までの数字を付けました。

メインの4つ「STD」「HIGHER」「LOWER」「UPRT」。

その中間のポジションを見ていきましょう。

STD側は④⑤⑦⑧UPRT側は①②⑩⑪


例えば⑧と⑩。

⑩:フェース角 3度オープン /ロフト角 -1.5度 /ライ角 58.75度 /スピン量 -300rpm

⑧:フェース角 3度オープン /ロフト角 -1.5度 /ライ角 57.25度 /スピン量 -300rpm


2つの差はライ角のみ。両方ともフェード気味のやや低弾道になりますが、⑩はUPRT側になる為、ややつかまりやすいという事です。




■弾道調整は、球の高さとつかまりが同時に増減する。

画像は1.5度スリーブ(8通り)の図。


これまでの内容を踏まえ、

テーラーメイドの弾道調整は高さのみ、もしくはつかまり具合のみに限った調整は出来ません。

多少なりとも高さ・つかまりの両方に影響を与える仕組みになっています。


自分はスライサーだからつかまりを増やしたい・・・といってHIGHERにした場合、同時に球の高さもアップすることにご注意下さい。


■最後に



テーラーメイドはロフトが10.5度でも、ヘッドの座りがややオープンになっているモデルが多め。

そこでスリーブ調整する前提で9度のヘッドを選択。

HIGHER(ロフト+2度、フェース角+4度)に変更した場合、ヘッドの座りが“ストレート~つかまり顔”になります。

顔重視のゴルファーは試してみてはいかがでしょうか。

今回も最後までお読みいただき有難うございました。